Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
彼女は深く恨んだ、その結果が、食物を断って死んだ――
その辺を語る時に尼は、さめざめと涙を落していたようだが、似つかわしい新夫婦のために同情せずして、不義の交りを楽しんでいた官女に同情を持つところが怪しからん。何か身につまされるものが深かったればこそだろう。おれは、そういう事は世間にあることで、また有り得ることだ、世間の神仏にある取りとめもない誇張の縁起物語と違って、失恋の結果、自分の生命を断つということは自然であって、無理でない、恋というやつは、それを失っては生きられないものだ、という理窟をそのまま受取る。そこで、兵部重清も、もともと深く焦れた仲だから、それが菩提の種となって出家を遂げた。つまり、新家庭を抛棄して、出家入道の身となったのは、遅蒔きながら朝霧の純情に殉じたものだ。死して魂魄となっても、女はその殉情に満足を感じたに相違ない。つまり、生きて遂げられぬ恋が、死して円満に成就したということになって、その艶話は一応実を結んだが、それ、恋というやつは戦と同じことで、勝敗だけがあって、妥協というものがないのだ。あの世と、この世だが、とにかく二人の恋が再び好転してみると、当然またここに一つの犠牲者が現われてしまった。