Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate

Aozora Bunko

た後、改めて政権の主座に置いて、三百諸侯みな現状維持の下に、つまり藩主を藩知事というものにして、それで、現状維持のままに政を一新せしめて行こうという案らしい。それが、無用の破綻と摩擦を起さずして、しかして体制を一変し、新政の実を挙ぐるに最も妙用であると、土佐ではそう考えているらしい。そういうような意見と運動が、一藩の輿論となっているらしい。それだというと、いわゆる公武合体のようなありふれた妥協でもないし、一面は一新の革新意識に触れているし、一面は旧制度の保守にも通じている、ちょっと、まともに反対しようがあるまい。この一藩の輿論の下に、土佐はまず幕府に向って大政奉還運動を働きかけている、徳川氏に向って、早く政権を朝廷に向けて奉還せよ、それが天下の大勢であるし、また徳川氏の社稷を保つ最も賢明の方針だ、大政奉還が一刻早ければ早いだけの効能がある、一刻遅ければ遅いだけの損失がある、ということを、あの藩の策士共はしきりに幕府に向って建議勧誘しているそうだ」

「それは利くまい、三百年来の徳川政権を無条件で奉還する、いくら内憂外患頻発の世の中とはいえ、一戦も交えずして政権を奉還する、そんなことは将軍職としてやれまい、将軍職としてはやれても、臣下が肯るということはあるまい、夢だ、空想だ、策士の策倒れだよ」