Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
自分が、あの女一人を目の敵として、女は絶えず素肌で来ているのに、自分だけは甲冑を着通して相手になって来た、それは勇者の振舞でもなんでもなく、卑怯な、強がりな、笑止千万な行程ではなかったか。落ちなかったところが何の功名? 落ちてみたところが何の罪? たかが女一人のほだし、女というものの意気に感じてやらなかった自分がかえって大人げない! 今となってみると、無性に何だか、あの女がかわいそうだ。あの女としては、全力を尽して、自分の身上を働きかけて来たのだから、その意気を買ってやるのもまた男ではないか。必ずしも清浄潔白とは言えない身で、変なところへ意地を張って来てみたのが、おかしい。なお一皮の底を剥いで見ると、あの種類の女には毒がある、毒というのは誘惑の毒ではない、体毒がある、つまり悪い病気がある、それを内心怖れていじけたのか――何にしても、女は素肌で来ているのに、甲冑をかぶり通して来た自分が卑怯未練だ!
兵馬は、その思いに迫られてみると、手の中の珠を落して来たような焦燥を感じたり、宝かなにか知らないが、溢れきった蔵の中に入って手を空しうして出て来た、といったような物足らなさが、ひしひしと心に食い入って、もう一ぺん引返して、女を見てやろうかという気分にさえ襲われたが、二十里も来て、ばかばかしい、そんなことが――と