Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
冷笑してみたりしたのですが、結局、高山以来の山の道中の、女のもてなしが、ここへ来て、ひしひしと体あたりを食い、あのとき突返した自分の受身が、今このところで、たじたじとなって、ああ、つまらない、なんだか世の中が味気ない気持になったよ――歴史のことも、英雄のことも、兵馬の念頭から消滅して、呆然と立ち尽した越前と近江の国境――そこで兵馬は後ろ髪を引かれている。
行こか越前、帰ろか近江、ここが思案の柳ヶ瀬の峠――
そこへ、行手、すなわち近江路の方から、高らかに詩を吟じて上り来る人声が起りました。
五十九
兵馬が待つ心地で立っていると、彼方から上って来るのは、たった一つの笠、しかも背の低い、ずんぐりした書生体の青年であることが、一目見てはっきりとしました。
近づき来るをよく見れば、白い飛白の単衣をたった一枚着て、よれよれになった小倉の袴をはき、頭には饅頭笠をかぶり、素足に草鞋をつけ、でも、刀は帯びているが、それ以外には旅の仕度もしてなければ、荷になるほどのものも持ってはいない。肩から一つ、ズックのカバンのようなものを釣り下げているばかり。
そこで、兵馬と行き逢いました。