Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate

Aozora Bunko

ない」

「それはそうに違いないと僕も思いますが、また必ずしも、そうと断言のできないものもありますよ。僕は、これでもやっぱり北人ですから、勝家贔屓はやむを得ませんが、なにしろ、相手が秀吉ですからなあ。徳川家康でさえ、あの時に京畿の間にいたんですが、手も足も出ない、それを、あの秀吉が疾風迅雷で中国からかけつけて、ぴたぴたと形をつけてしまったんですからな、あれは天才ですから」

「しかし、あの時の家康は裸でしたから、手も足も出ないのが当然だが、勝家が近畿にいたら、あんなことはありますまい」

こんなことを語り合って、いざや両々、これでお別れという時に、青年が、

「僕、お別れに詩を吟じましょう、今のその渝州に下るを一つ……」

峨眉山月、半輪ノ秋

影ハ平羌、江水ニ入ツテ流ル

夜、清渓ヲ発シテ三峡ニ向フ

君ヲ思ヘドモ見ズ渝州ニ下ル

青年は高らかに、その詩を吟じ終ったが、自分ながら感興が乗ったと見えて、

「もう一つ――陽関三畳をやります」

渭城の朝雨、軽塵をほす

客舎青々、柳色新たなり

君に勧む、更に尽せよ一杯の酒

西の方、陽関を出づれば故人無からん

「無からん、無からん、故人無からん」を三度繰返された時、誰もする別離の詩ではあるけれど、今日の兵馬の魂がぞっこんおののくを覚えました。