Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate

Aozora Bunko

あなた、三一旦那は定家卿でも、飛鳥井大納言でもございません、そう、殿様のように頭からケシ飛ばしてしまっては、風流というものが成り立ちません、第一、初心のはげみになりませんから、何とか一つ、そこは花を持たせていただきてえもんでござんして」

「黙れ黙れ! 言語道断の代物だ――笑って済むだけならまだいいが、見て嘔吐が出る、ことに、第五句のところ……」

「そこでげす!」

「そこが、どうした」

「鐚がそこを賞めやしたところが、ことごとくお大尽のお気にかないました」

「馬鹿野郎!」

「これは重ね重ねお手厳しい、そういちいち、馬鹿の、はっつけのと、あくたいずくめにおっしゃっては、風流が泣くではございませんか、第一殿様の御人体にかかわります、お静かにおっしゃっていただきてえ」

「その第五句の南面という言葉がはなはだ穏かでない、町人風情のかりそめにも用うべからざる語だ」

「へえそんなたいそうな文句を引張り出したんでげすか」

「南面というのは天子に限るのだ、この文句で見ると、三一旦那なるものは、何か蒸気船に乗って南の方へでも出て行く門出のつもりで、こいつを唸り出したものだろうが、南面して行くとは、フザケた言い方だ、勿体ないホザき方だ――ただ笑うだけでは済まされない、不敬な奴だ!」