Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Leggi 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.601 caratteri · 387 schermate
そこに悲しい物語があって、今のお玉は現在自分の父が何者であるかを知らないのでありました。お玉の母はその後、やはりこの部落の中で味気ない一生を早く終って、間の山の正調と、手慣れた一挺の三味線と、忠義なる一頭のムク犬とを娘のために遺品として、今は世にない人でありました。
お玉は今朝、いつもより早く起きて朝飯を済ましてしまい、
「ムクや、これからお役所へ行くのだよ」
昨晩ムクが啣えて来た印籠を取り出して、それを今日は間の山へ出がけにお役所へ届けて、そのついでに昨晩、備前屋の裏口で頼まれた手紙とお金をもその頼まれたところへ届けてしまいたいと、こう思ったので、まず印籠を取り出して見ると、夜目に見た時よりもいっそう立派なものでありました。次に備前屋の裏口で頼まれたお金と手紙、どこへ届けるのだか、この手紙に書いてあるからと聞いたばかりでまだ調べて見なかったが、悲しいことにお玉は字が読めない女でありました。
字が読めなくっても、今までに不自由を感じたこともないし、それを恥だともなんとも感じたことのないほど、それほどお玉は周囲の狭い天地で育っているのでありました。
「まあいいわ、この印籠の方だけ届けておいて、この手紙の上書は誰かに読んでもらいましょう、間の山へ行けば講釈の先生もいるわ、それでも遅いことはないでしょうと、わたし