Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Leggi 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.601 caratteri · 387 schermate
「この手紙を、そなたは読んでしまわれたのか」
「はい」
「目の不自由なというそなたが」
「人に読んでもらいましたので」
「誰に」
燈火の穂先が慄える。お玉は罪を詰られるような心地がして、
「余儀ないわけで……途中で水の中へそのお手紙を落したものですから、それを乾かす時に、つい封じ目が切れまして、その時に懇意な人に読んでいただきました、その人は内緒を人に洩らすような人ではございませんから、どうぞ御勘弁あそばして」
「それでは、この手紙の用向は委細のみこんでいるな」
「はい」
「では、その筋を話してもらいたい」
「よろしゅうございます」
お玉は、ここでようやく度胸が据わって、大事の大事の人の手紙を見てしまったことが、今までお玉の良心に大へんな重荷であったのを、こうして打明けてしまえば、その重荷を卸した心持になってしまったのです。
「でございますけれども、あなた様、お驚きあそばしてはいけませぬ」
お玉は唾を呑んで念を押すと、
「驚きはせん」
竜之助は冷たい面の色。
「このお手紙は、あの、遺書になっているそうでございます」
「遺書に?」
「はい、それで二十両のお金、あなた様の御病気をお癒しなさるようにとのお心添えなそうにございます」