Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Leggi 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.601 caratteri · 387 schermate
「いや、食事はもう済みました、湯に入れてもらい、直ぐに休むと致しましょう」
若い武士は上り端に腰かけて草鞋の紐を解く。
「お内儀さん、金蔵どのはまだ帰らぬかな、えらい永逗留じゃ」
「まだ二三日は、帰るまいと思われますのでございます」
「そうか。なにしろ近国では、あのような騒ぎ故、早く帰ってくれないと困る」
「左様でございます」
「では、お頼み申しましたよ。それから、あのな、御如才もあるまいが、先刻の人相書、あれはよくよく気をつけてな、何の遠慮はいらぬから、怪しいのが見えたら、早速、わしがところなり組合の衆なりへ申し出てもらいたい……いや、こちらのこのお武家様に直接に申し上げてもよろしい、頼みましたぞよ」
「ええもう、委細承知致しました」
この時、若い侍は草鞋を解き足を洗い終る。
「さあ、どうぞ、これへ」
お豊は、さきに立って案内する時、いままでは蔭であった行燈の光でよく見れば、まだ前髪立ちの少年で、これは申すまでもなく宇津木兵馬でありますけれど、お豊は、まだこの人には近づきがなかったのであります。
四
温泉寺の鐘が九ツを打つ。
兵馬は、いま枕について、まず頭にうつるものは、いま自分を案内してくれたこの宿屋の若い女房のことでありました。