Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Leggi 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.601 caratteri · 387 schermate
どこの部屋に、どんなのがいて、あれは景気は好さそうだがその実懐中に金はあるまいとか、こちらの方に燻ぶっている商人体の一人者は、あれでなかなか持っていそうだとか、あの夫婦者は実は駈落者だろうとか、この宿屋の客の値踏みをがんりきと七兵衛がする、どちらも商売柄、その見るところがたんとは違わない。最後にがんりきが、
「そのなかで、俺の眼の届かねえのがたった一つあるが、お前はどう思う」
「うむ、二階の二番のあれだろう」
七兵衛の返事、おたがいの合点。
「どうもあいつはわからねえ」
「俺にもわからねえ」
「よし、もう一ぺん確めて来る」
がんりきは便所へ行くようなふりをして、いま噂に上った二階の二番の前をなにげなく通って前後を見廻してから、そーっと障子の傍へ立寄ると、持っていた太い針のようなものを嘗めて些やかな穴を障子の隅へあけて、部屋の中を覗きます。
十畳の間、真中に紙張が吊ってあって、紙張の傍に朱漆、井桁の紋をつけた葛籠が一つ、その向うに行燈が置いてある。
やがてまたもとの部屋へ立戻ったがんりき。七兵衛が待っている。
「どうだ、当りがついたか」
「駄目だ、やっぱりわからねえ、紙張の中に人がいるのかいねえのか、その見当もむずかしい」