Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Leggi 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.112 caratteri · 362 schermate
ひでえことをしやがら、だから承知ができねえ、さあ、矢でも鉄砲でも持って来い、これからはおれが相手だ、おれの女房に指一本だって差させるものか、さあ来い」
自分も血まみれになって、血に染まった白刃を振りかざして、前後の辻褄の合わない啖呵を切って、息せきながら弁信の背後まで迫って来ました。盲法師の提灯が危ない。提灯を斬られた切先でその頭が危ない。頭を斬られれば命が危ない。さすがの弁信も狼狽して逃げ惑いました。
いま打ち下ろした刃は、弁信の持っていた九曜巴の提灯をパッと斬り落したらしい。弁信はアッと言って倒れたから、それで第二の刃をのがれることができました。
あとは、真暗闇の広っぱを、その狂人が躍り上り、躍り上って狂い走ります。
その時に、狂人の刃の下に取縋ったものがあります。それは八歳になる女の子でありました。
「お父さん、危ない」
竜之助の耳には、ただその騒がしい物音を聞くのみです。
涯りも知れぬ広い原に、野火が燃え出して、右往左往に人が逃げ走る光景を想像するだけであります。
疾風に煽られた野火のような勢いで、触れるものをめらめらと舐めて行く一個の狂人を想い浮べるのみであります。