Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Leggi 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.112 caratteri · 362 schermate
その狂人が、こうも突発的に狂い出した原因は、ほぼわかりました。その狂人のいかなる種類の男に属するかということは、想像があるのみです。
その時に現われた狂人の面影は、大和の国の三輪の藍玉屋の倅の金蔵というもののそれにそっくりです。その倅は三輪大明神の社家、植田丹後守の屋敷に預けられていたお豊に命がけで懸想した男であります。その執念深い恋が、ついには物になって、お豊をつれて紀伊の国の竜神へ行って温泉宿の亭主となったその男であります。その宿から火が出て竜神の村を焼いた時に、竜之助はその男を、なんの苦もなく日高川の水上へ斬って落しました。その後、お豊の話によると、金蔵は嫉妬ゆえに狂い出したものだそうです。お豊と、ある前髪の若いさむらいとの間を疑って、それから狂い出したということであります。取るに足らぬ男ではあったけれども、その執念の深いことは怖るべきものでした。垣根を忍び越えようとして竜之助のために泥田へ投げ込まれた恨みも、植田丹後守が自分を遠ざけるがために、お豊をかくまったことも、ことごとく、彼にとっては恨みの種でありました。ついには鉄砲を持ち出して、お豊以外の邪魔物をすべて撃ち殺そうとして失敗った程の執念であります。