Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Leggi 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.112 caratteri · 362 schermate
それともまた、ここで大きな声を出して悪いようなことはございませんか知ら」
弁信は塵打払いながら例によって、暫く小首を傾げていると、その鋭敏な耳に女の声が聞える。
「どうぞここをおはなし下さいまし、人違いで失礼を致しました……苦しうございます」
それを聞くと、弁信は声のした方へ頭をクルリと振向けました。
「どうぞおはなし下さいまし、わたしは苦しうございます……」
女は何者にか捉われの手を逃れようとして苦しみ呻いている。半ば蛇に呑まれて、半身だけが地上にのたうち廻って苦しむような、熱苦しい、どろどろした呻きの声であります。
それを篤と聞き定めた弁信は、消えた提灯を片手に、飛鳥の如く走り出しました。不思議となにものにも躓くことなく、声のしたところへ一足飛びに走って来て、
「もし、先生、そこにおいでになりましたか。女のお方も、そこにおいでなさいますね。なんにしても、お怪我が無くてよろしうございました。けれども、あの足音をお聞きなさい、あの人の声をお聞きなさい、大勢の人がまた尋ねに参ります、今度つれて行かれたら、もう助かりませぬ、早くお逃げなさい。先生、わたくしのことは御心配にはなりませぬよう、あなた様は早く、その女のお方を連れてお逃げ下さいまし、先生がお逃げにならなければ危のうございます、早くこの場をお逃げなさいまし