Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Leggi 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.112 caratteri · 362 schermate

Aozora Bunko

ことに相当に鍛錬を積んでいる槍ですから、一つ逃れてまた一つです。それを逃れると、ひょろひょろしながらも、よろよろしながらも、ほとんど透間もなく、やっと掻巻から抜け出したばかりのお銀様の腰を立て直す隙もあらせず、神尾が突っかけて来る槍は凄いばかりです。

「誰か来て下さい」

さすがにお銀様は女ですから、こうなってみると我知らず叫びを立てました。

この叫びはかえって神尾にとっては、よい目標を与えたようなもので、得たりと畳みかけて突っかけるのを、幸いに梅の木があったから、それを廻り込んでお銀様は、またしても暫しの息をつきました。

その梅の木の前から諸突きにしてみたけれども、それが外れたと見え、神尾は左からねらって突きました。それも手答えがなかったために、右から覘って突いたけれども、お銀様の身には当りません。こうなると神尾は再び激昂を始めました。

お銀様と神尾とは、槎たる梅の大木を七たび廻って、追いつ追われつしています。

「誰か来て下さい」

ふたたびお銀様が叫びを立てた時分には、神尾とても、これが目的のお喋り坊主ではなく、日頃苦手のお銀様であったことに気がついたのでしょう。