Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Leggi 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.112 caratteri · 362 schermate
「がんりき、来ていたのかい」
七兵衛も呆れ面です。すばしっこいのは今にはじめぬことだが、かくまで澄まし返って、脂下っていられると癪です。
「兄貴、御苦労、御苦労」
七兵衛の出て来たのを見て、銀張りの煙管を縁の上へ抛り出して、片手を伸べたものです。
「ふざけるない」
七兵衛が叱りつけると、がんりきはニヤリニヤリと笑い、
「兄貴も思いのほか人が悪いや、弱い者を苛めっこなし、人の物を横取りは風が悪いね、なにもお前と、おれの間だから、欲しけりゃあそうと言っておくんなさい、ずいぶん譲って上げねえ限りもねえのだ、だまって持って行かれると心持が悪い……そうしてまた兄貴はこれを持ち出して、いったいどうする気なんだエ、失礼ながら、このなかみの有難さが、兄貴にはまだわかるめえ」
「百、お前の言う通りだ、このなかみの有難さは、俺の眼では睨みきれねえが、ぜひこいつを拝みてえという人があるんだから、ちっとばかり貸してもらいてえ」
「うむ、そう話がわかりさえすりゃあ、ほかならぬ兄貴に貸惜しみをするような、おれではねえが、まあもう少し待ってもらいてえというのはほかじゃねえ、おれの方にも、この品を一目拝みてえという人があるんだ、それを先口にして、それが済んでから、兄貴の方へ廻すとしようじゃねえか」