Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Leggi 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.112 caratteri · 362 schermate
それもそうだが、さっきから、おいらの癪にさわるのは、お前さんが頭巾を被りながら挨拶をしていることだ、家の中で人と話をするには、頭巾だけは取ったらよかりそうなものだ」
こう言って米友は、手近な行燈を引き寄せて、意地悪くその女の面へパッと差しつけて、あっと自分が驚きました。
今夜は怖い晩である。夢に現われた不動尊は、いまだに米友にはその心が読めない。今ここに現われた現実の人は、言葉こそ優しい女人であれ、その面貌は言わん方なき奇怪なものである。行燈を引き寄せた米友は再びワナワナと慄えました。寧ろ米友自身の形相が凄じいものになりました。
「おいらはいやだ、お前という人は、やっぱり夢じゃねえのか、女のくせに、たった一人でこの夜中に、どういう由があって、あの人を尋ねて来たんだ、昼間は訪ねて来られねえのか、そうして話をするに、どうしてその頭巾が取れねえのだ」
こう言って怒鳴りました。
「米友さん」
女は存外、優しい声でありますけれども、米友の耳には、頭巾の外れから、チラと見た夜叉のような面が眼について、その優しい声が優しく響きません。
「米友さん……お前はお君のことを知っているだろう、わたしの身の上が知りたければ後で、あの子によく聞いてごらん、わたしがこうして頭巾を被っているわけも、あの子がよく知っていますから聞いてごらん