Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate

Aozora Bunko

「誰も頼みはしないのに」

「頼まれちゃやれません。時に御新造、私はもう一ぺん危ない剣の刃渡りをしてみようと思うんで。これはさる人から頼まれて、慾と二人づれなんだが――」

「まあ、ともかくもお上り」

といった時、表でガラリと戸のあく音がします。ハッと離れた二人。がんりきは早くも庭の木立の蔭へかくれると、

お絹は廊下を二足三足、

「福村が帰って来たようです」

「ちぇッ」

がんりきの百蔵は木蔭でいまいましがる。

「奥様、奥様」

「おとうかい」

暗いところを摺足して歩いて来るのは、女中のおとうに違いありません。

「はい」

「お前、どこへ行っていたの」

「ちょっと、表までお使に行って参りました」

「だまって行っては困るじゃないか」

「どうも済みませんでした。あの、奥様……さっき、わたしが出かける時に、お家の裏の方にうろうろしている人影がありましたから、気味が悪うございました」

「だから、なおさらのことじゃないか……勝手元の締りをよくしてお置き」

「はい」

「それから、玄関の戸も、しっかり錠をおろしておしまい」

「それでも、まだ旦那様がお帰りになりませんのに」

「多分お泊りだろう」

「左様でございますか」