Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate
それだけで、又六からも、お吉からも、小坊主からも、なんとも音沙汰がないのに、夜はようやく更けてゆき、主膳はいよいよ眼が冴えかえって眠ることができません。
まよなかとおぼしい時分に、障子と廊下をへだてた雨戸がホトホトと鳴る。
「神尾の殿様」
呼ぶ声で、主膳がハッと驚かされる。空耳ではなかったかと疑いながら、音のした方へ眼をつけて、
「誰じゃ」
「殿様、百蔵でございます。ちょっとここをおあけなすって」
図々しい奴、しつこい奴、会いたくもない奴。しかし、こうして寝込みを襲われてみれば、主膳もだまってはおられない。
「何しに来た」
「殿様、お迎えに上りました。といいましても今晩のことではございません、どのみち、殿様に再び世に出ていただかなければならない時節になりましたから、そのお知らせかたがた……ちょっと、ここをおあけなすっていただけますまいか」
二十八
房州の洲崎で船の建造に一心を打込んでいた駒井甚三郎――その船は、いつぞや柳橋の船宿へ、そのころ日本唯一の西洋型船大工といわれた豆州戸田の上田寅吉を招いて相談した通り、シコナと千代田型を参考にして、これに駒井自身の意匠を加えた西洋型。