Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate
相手はどこにいる。どこにもいないではないか。連れはどこにいる。それも見えない。
こういう場合には、傷ついたよりも、殺された方が幸いである。殺されて屍を荒原に横たえ、魂を無漏の世界へ運んだ方が安楽で、傷ついて助けのない道を、のたり行く者の苦痛とは比較になるまい。
誰か通りかかる人はないか。通りかかって、このあわれな負傷者をいたわってやるものはないか。いたわってやる余裕と勇気がなけれは、せめて遠くから、その方角を教えてやれ。この男は時々、真直ぐな道をさえ間違えて、草原に迷い入り、南北をわすれてしまうではないか――傷ついたのみならず、彼はもう、眼が見えなくなっている。
ああ、この痛々しい足どり――だが、今となっては誰を怨もうようもあるまい。十種香の謙信でさえが、「塩尻までは陸地の切所、油断して不覚を取るな」と戒めているではないか。
しかしながら、世間のこと、他の羨望するほど気楽でないこともあれば、他の同情するほどに苦痛を感じていないこともある。
この男はこれが商売です――商売という語が目ざわりならば、生存の意義とでも、遊戯とでも、なんとでもいって下さい。