Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate
久しく田舎に引籠っていた神尾の眼には、この女の姿が、めざましいほど、若くあだっぽく見えるものらしい。
「ほんとにお前は若いよ、羨ましい。拙者などは山の中にくすぶって、あたら年をとってしまった」
「御冗談でしょう、御前などはこれからでございますよ」
「盛りは過ぎたな」
と神尾が、自分を嘲るようにいいますと、
「これからでございますよ」
お絹は自分のことをいっているような返事。
「女は幾つになっても廃りというものはないけれど……」
「廃ってしまえば見返るものもございませんから、廃らないうちが花でございます」
「お前なぞは、四十になっても五十になっても廃りっこはない」
といいながら神尾は、この女は天性、女郎になるように出来ている女だなと、つくづく思いました。
「福兄さんも、いよいよわたしが出て来るとなると、泣きました」
「うむ」
神尾は苦いものを飲ませられたように思う。それまではいわなくてもよかろう。聞きとうもないことを、女の口から、平気で喋り出す恥知らずを、さすがの神尾も呆れて、よんどころなく、
「福村も力を落したろう」
「ええ、あの人は、今のところ、わたしがドコへも行けないものとたかをくくって、ワザと焦らすつもりでいたところを、こうして、さっさと片付けて、綺麗に引払って来たものですから、びっくりして、しまいに泣いてあやまりました