Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate

Aozora Bunko

「どうも御馳走さま」

「どう致しまして」

「まあ、話しておいでなさいましよ」

「ありがとうございます」

娘は、ちょっと立ちまどうていましたが、

「また参りましょう」

「そうですか、では、また話しにおいでなさいな」

「ええ」

七兵衛は、小笊の中へ付木を入れてかえすと、娘は、それを持って帰って行きました。

再び膝を組み直した七兵衛は、ぼんやりと娘の帰っていったあとを見送って、

「うむ、いい娘になったなあ、少し見ないでいるうちに……」

ハチ切れそうな娘ざかりの肉づきが、この時ひどく七兵衛の目に残りました。

今まで、女というものの存在をわすれてでもいたかのように、七兵衛は、今の娘を帰してしまったことを、なんとなく残りおしくてたまらない心持になって、無理にひきとめて、京大阪の話でも聞かせるのだったのに……

そういえば、娘もなにか物欲しそうに来ていた様子……上手に言えば、いくらでも話し込んでいたにちがいない。

いったい、おれは女には気を置き過ぎる……と七兵衛が自分を歯痒く思ったのはその時で、腕を振えば、いくらでも振える機会を、ついその場になると、かわいそうになったり、冷淡になったりしてしまう。