Classici giapponesi con furigana
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ぐじんのどく
大雷雨夜の殺人 他8編
小酒井 不木
Leggi 大雷雨夜の殺人 他8編 (ぐじんのどく) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.456 caratteri · 55 schermate
嘔吐と下痢とは亜砒酸中毒の際の主要な症候であるそうですから、健吉くんがなんらかの方法によって未亡人の飲食物に亜砒酸を投じたであろうということは、これまた何人も異議のあるまいと思われる推論なのであります。
さて、未亡人は前三回の発病からはさいわいに回復し、四回めの発病の際ついに絶命したのですから、この事実よりして、前三回に与えられた亜砒酸の量は致死量以下であったことを想像するに難くなく、殺人者の側からいえば、第一回に致死量を与えて突然絶命させては疑いを受ける虞があるから、まず三回だけ苦しませ、しかるのち致死量を与えて殺すというきわめて巧妙な方法を選んだと言わねばなりません。
ところが、殺人者は非常な誤りをしたのであります。それは何であるかと言いますに、毒として亜砒酸を選んだことです。ここにおいでになる片田博士のお話によると、西洋では亜砒酸のことを“愚人の毒”と呼ぶそうですが、それは、亜砒酸を毒殺に使用すれば、その症状によってきわめて気づかれやすいし、また死体解剖によって容易にその存在を発見されるから、愚人しか用いないという意味だそうであります。今回の事件においても、殺人者は愚かなことをしました。