Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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てんしゅものがたり

天守物語

泉 鏡花

Leggi 天守物語 (てんしゅものがたり) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.593 caratteri · 42 schermate

Aozora Bunko

夫人 知らないよ。

薄 おお、兜あらためがはじまりました。おや、吃驚した。あの、殿様の漆みたいな太い眉毛が、びくびくと動きますこと。先刻の亀姫様のお土産の、兄弟の、あの首を見せたら、どうでございましょう。ああ、御家老が居ます。あの親仁も大分百姓を痛めて溜込みましたね。そのかわり頭が兀げた。まあ、皆が図書様を取巻いて、お手柄にあやかるのかしら。おや、追取刀だ。何、何、何、まあ、まあ、奥様々々。

夫人 もう可い。

薄 ええ、もう可いではございません。図書様を賊だ、と言います。御秘蔵の兜を盗んだ謀逆人、謀逆人、殿様のお首に手を掛けたも同然な逆賊でございますとさ。お庇で兜が戻ったのに。――何てまあ、人間というものは。――あれ、捕手が掛った。忠義と知行で、てむかいはなさらぬかしら。しめた、投げた、嬉しい。そこだ。御家老が肩衣を撥ましたよ。大勢が抜連れた。あれ危い。豪い。図書様抜合せた。……一人腕が落ちた。あら、胴切。また何も働かずとも可いことを、五両二人扶持らしいのが、あら、可哀相に、首が飛びます。

夫人 秀吉時分から、見馴れていながら、何だねえ、騒々しい。

薄 騒がずにはいられません。