Classici giapponesi con furigana
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てんしゅものがたり
天守物語
泉 鏡花
Leggi 天守物語 (てんしゅものがたり) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.593 caratteri · 42 schermate
撫子 はい、それは白露でございますわ。
葛 千草八千草秋草が、それはそれは、今頃は、露を沢山欲しがるのでございますよ。刻限も七つ時、まだ夕露も夜露もないのでございますもの。(隣を視る)御覧なさいまし、女郎花さんは、もう、あんなにお釣りなさいました。
薄 ああ、ほんにねえ。まったく草花が釣れるとなれば、さて、これは静にして拝見をいたしましょう。釣をするのに饒舌っては悪いと云うから。……一番だまっておとなしい女郎花さんがよく釣った、争われないものじゃないかね。
女郎花 いいえ、お魚とは違いますから、声を出しても、唄いましても構いません。――ただ、風が騒ぐと下可ませんわ。……餌の露が、ぱらぱらこぼれてしまいますから。ああ、釣れました。
薄 お見事。
と云う時、女郎花、棹ながらくるくると枠を巻戻す、糸につれて秋草、欄干に上り来る。さきに傍に置きたる花とともに、女童の手に渡す。
桔梗 釣れました。(おなじく糸を巻戻す。)
萩 あれ、私も……
花につれて、黄と、白、紫の胡蝶の群、ひらひらと舞上る。
葛 それそれ私も――まあ、しおらしい。
薄 桔梗さん、棹をお貸しな、私も釣ろう、まことに感心、おつだことねえ。