Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あまくさのはる
天草の春
長谷 健
Leggi 天草の春 (あまくさのはる) di 長谷 健 (はせけん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7293 caratteri · 15 schermate
このような僻すうの地に、このような設備があろうとは、私も考えないところであつた。臨海実験所の主任だというK氏、彼は年のころ二十七八でもあろうか、紅顔の美少年とでもいいたい程の青年学徒である彼の語るところによれば、実験所が開所されて、来る四月十日が、二十周年記念に当るという。きわめて地味な研究所で、政治的な動きの全くないところなので、世間的にもあまり知られていないらしいが、朝日新聞記者に語るところを傍聴していた私は、思いがけぬところに迷いこんだ幸を、しみじみと感じたものである。
ここではもちろん、近海の魚族の研究を主として行つているそうだが、ウニやクモヒトデなどの研究で学位を得た人たちも、数人ある由、そこでK氏であるが、はじめ彼は研究の結果をさぐり出そうとする記者の問いをはぐらかして答えなかつたが、それでも私たち素人にも分かるようなことを、少しずつ語つて聞かせた。
K氏の研究の対象は、船底に附着するセン孔動物である由。クモヒトデ、フジツボ、クサコケ虫等のように、船底に附着棲息して、船の速度を落とし、重量を増して、燃料に影響を及ぼし、船体を害する生物の研究に、その生涯を賭けているそうだが、私はその青年の情熱を、尊敬する。