Classici giapponesi con furigana
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てんいむほう
天衣無縫
織田 作之助
Leggi 天衣無縫 (てんいむほう) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.975 caratteri · 25 schermate
私はなんだか自分までが馬鹿にされたような気になり、ああ、いやだ、いやだ、昼行燈みたいにぼうっとして、頼りない人だと思っていたら、道の真中で私に金を借りるような心臓の強いところがあったり、ほんとうに私は不幸だわ、と白い歯をむきだして不貞くされていた。すると、母は、何を言います、夫のものは妻のもの、妻のものは夫のもの、いったいあんたは小さい時から人に金を貸すのがいやで、妹なんかにでも随分けちくさかったが、たかだか二円のことじゃありませんか、と妙に見当はずれた、しかし痛いことを言い、そして、あんたは軽部さんのことそんな風に言うけれど、私はなんだか素直な、初心な人だと思うよ、変に小才の利いた、きびきびした人の所へお嫁にやって、今頃は虐められてるんじゃないかと思うより、軽部さんのような人の所へやる方が、いくら安心か分りゃしない云々。巧い理屈もあるものだと聞いていると、母は、それにねえ、よく世間で言うじゃないか。女房の尻に敷かれる人はかえって出世するものだって……。ああ、いやらしい言葉だと私は眉をひそめたが、あとでその母の言葉をつくづく考えて、なぜだかはっとした。