Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たいへいようまじょう

太平洋魔城

海野 十三

Leggi 太平洋魔城 (たいへいようまじょう) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.147 caratteri · 187 schermate

Aozora Bunko

だが、太刀川は、

「ふん」とせせら笑って、

「いや、よくわかった。だが、ケレンコ君、重ねていうだけ無駄だ。僕は君の申し出にどうしても従うことは出来ない。そのため、君が、僕の命がほしいというなら、勝手にうばいたまえ。僕には、僕の覚悟があるのだ」

断乎としていいはなった。

すると、今まで強いておだやかによそおっていたケレンコは、いよいよ仮面をぬいで来た。

「そうか」

あきらめたようにつぶやくと、顔色がにわかにけわしくなった。怒をふくんだ目が、太刀川をじーっと見つめた。

「よい度胸じゃ」

皮肉な口もとに、うすきみ悪い笑をうかべながら、

「それじゃ、可哀そうだが、君ののぞみ通り、命をもらおうか」

目で合図をすると、左右にいながれた部下たちは、無言のまますーと立ち上った。と同時に、黒服の下からニューッとつき出された十挺の拳銃、その拳銃が一せいに太刀川の胸をねらって、ぴたりと、とまったのである。

室内にみなぎるすさまじい殺気。

ああ、快男児太刀川時夫も、ついに最期の時が来たのか。

もとより国にささげた体なら、すてる命は惜しくない。だが、太平洋の底には、日本をねらう恐るべき海底要塞が、夜を日についで建造をいそいでいるのだ。