Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいきょしほうでん

太虚司法伝

田中 貢太郎

Leggi 太虚司法伝 (だいきょしほうでん) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7847 caratteri · 16 schermate

Aozora Bunko

「そいつを逃がすな、つかまえろ」

「俺達が飲んでいる所へ、やってくるとは大胆な奴じゃ、つかまえて脯※にしろ」

「つかまえろ、逃がすな、俺達の邪魔をした奴じゃ」

背後からばらばらと飛んでくる物があった。それは人の骨のような物もあれば、牛の糞のような物もあった。大異は走りながらちらと背後に眼をやった。自分の物であろう片手に頭を持った頭のない者が、前にたって追っかけてきていた。

大異は一生懸命になって走った。小さな川の流れがすぐ前にきた。水は月の光を受けてちらちらと光っていた。大異は橋などを尋ねる暇がないので、そのまま水の中へ走り込んで、全身をずぶ濡れにしながらやっと前方の岸へあがった。

怪しい者たちは川の手前で罵り叫ぶだけで、水を渡ってくるらしい形勢がなかった。大異はそれでも走るのを止めなかった。二三町も往ったところで、諠譁の声がますます遠くなったので、やっと立ち停まって背後の方を見た。怪しい者たちの姿はもう見えなかった。

月が不意に入って四辺が急に真暗になってしまった。大異は驚いて歩いた。そこには深い深い坑があった。大異の体はその中へ堕ちてしまった。

冷たい厭な物が骨にまで浸みたように思って大異は我に返った。