Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めおとのあさ

夫婦の朝

山本 周五郎

Leggi 夫婦の朝 (めおとのあさ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.008 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

伝法院の土塀に添って片側は田圃、空はいちめんの星で、肌を刺すような北風が吹きつけて来る。……三右衛門は覆面をしていた。

「疑われはしなかったか」

「いえ、夜の方が人眼につかぬから、茶屋町の辻でお待ちになっていると申しましたら、三人とも直ぐ此方へ来る様子でございます」

「御苦労だった」三右衛門は微笑しながら、「ではもういいから其方は帰って居れ、今宵のことは他言を禁ずるぞ」

「仰せまでもございませんが、私も此処に」

「いや、いけない」

固く首を振って遮った、「其方がいたところで邪魔になる許だ、それより帰ったら奥の様子に気をつけて呉れ」

「奥様になにか……」

「別に仔細はないが頼む、……早く行け」

彦右衛門は心残るさまだったが、やがて下谷の方へと小走りに立去った。

三右衛門は大剣の鯉口を切った。

ずっと見通しの田圃から、吹渡って来る風は強くはないが、その冷たさに指が凍えて来るのを、ふところで温めながら暫く待っていると……やがて田原町の方から提灯がひとつ、三人の人影が近づいて来た。

二、三間やり過しておいて、

「ああ其処へ行く方々、……此処でござる」と呼びながら出た。