Classici giapponesi con furigana
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めおとのあさ
夫婦の朝
山本 周五郎
Leggi 夫婦の朝 (めおとのあさ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.008 caratteri · 22 schermate
七
「へえ、……か、か」
畏りましたと云う積りであろう。……三右衛門は手紙の束を抜取ると一応検めてから大剣に拭いをかけて鞘に納め、
「沼部、身にしみろよ」
と云い残して大股に立去った。
七
お由美は仏壇に燈明をあげていた。
寒気の厳しい朝で、指にかけた水晶の数珠が骨へしみるほど冷たい、……肌も潔め、髪も梳き、肌着も白い物を着けている。
――これで再び帰らないのだ。
そう思っても、既に覚悟が出来ているせいか案外心は平らかだった。暫く祈念して燈明をしめし、もういちど自分の居間へ帰って不始末なところはないかと検めてみた。夜のうちに片付け物は済ませてあるので、もう遺書の上書きさえすれば出られる。
――是で大丈夫。
と立上ったとき、庭の方から、
「由美、由美」
と良人の呼ぶ声がした。
「ちょっと来て手伝って呉れ」
「……は、はい」
お由美は心を鎮めながら、慎ましく縁側へ出て行った。
昨夜の寒気を語るように、外はいちめん雪のような霜である、良人の三右衛門は庭の霜柱を踏みながら、枯枝を折って小さな焚火をしているところだった。
「……なんぞ御用でございますか」
「うん、其処に、その」