Classici giapponesi con furigana
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めおとぜんざい
夫婦善哉
織田 作之助
Leggi 夫婦善哉 (めおとぜんざい) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.643 caratteri · 61 schermate
お辰は存分に材料を節約したから、祭の日通り掛りに見て、種吉は肩身の狭い想いをし、鎧の下を汗が走った。
よくよく貧乏したので、蝶子が小学校を卒えると、あわてて女中奉公に出した。俗に、河童横町の材木屋の主人から随分と良い条件で話があったので、お辰の頭に思いがけぬ血色が出たが、ゆくゆくは妾にしろとの肚が読めて父親はうんと言わず、日本橋三丁目の古着屋へばかに悪い条件で女中奉公させた。河童横町は昔河童が棲んでいたといわれ、忌われて二束三文だったそこの土地を材木屋の先代が買い取って、借家を建て、今はきびしく高い家賃も取るから金が出来て、河童は材木屋だと蔭口きかれていたが、妾が何人もいて若い生血を吸うからという意味もあるらしかった。蝶子はむくむく女めいて、顔立ちも小ぢんまり整い、材木屋はさすがに炯眼だった。
日本橋の古着屋で半年余り辛抱が続いた。冬の朝、黒門市場への買出しに廻り道して古着屋の前を通り掛った種吉は、店先を掃除している蝶子の手が赤ぎれて血がにじんでいるのを見て、そのままはいって掛け合い、連れ戻した。そして所望されるままに曾根崎新地のお茶屋へおちょぼ(芸者の下地ッ子)にやった。