Classici giapponesi con furigana
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きじゅつこうあんぎょう
奇術考案業
長谷川 伸
Leggi 奇術考案業 (きじゅつこうあんぎょう) di 長谷川 伸 (はせがわしん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4145 caratteri · 9 schermate
十二になる長女は改良箱抜けの模型の中にいるのだ、だが、模型は考案の不完成を雄弁に語って沈黙しているのである。外から開こうとして弥兵衛はあぶら汗を既に絞った後だった。とうとう模型は打ち破られ、長女は救い出されたがそのために今だに――十年近く――改良箱抜けは出来ないでいる。
弥兵衛が近来考案したものに、ラジオ応用の魔術がある。考案料が高いので、さすがの仙辰も買わずにいる。いつか舞台にそんなものを見るときがきたら、弥兵衛の手に考案料がはいったのだ、という風に考えるつもりだ。
この考案は頗る面白いもので、今のところ、弥兵衛の外には私だけで、外に知っているものは世界中にない。
近来の弥兵衛はちょいとみると仙骨を帯びている。投機をやっている頃の俤は全く消えて、どこか奇行の味いがある。
その弥兵衛が砂地省造に邂逅した話を終りにつけておこう。
「いつか君に話をいたした砂地省造。彼その後東京へ出て、元来才物じゃから幽霊会社創立をやって、諸方から金を大分掻き集めたのじゃとね。いかん奴じゃよ。零細なる金を集めて態よく横領するのじゃからだ。彼砂地省造はすべて現金でもっておる。