Classici giapponesi con furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Leggi 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9487 caratteri · 19 schermate
言われ、それが伝わり伝わって、時の将軍の耳に入り、台覧の栄を得るという騒ぎになりました。
「大丈夫かえ、御坊」
事毎に神経を痛めるのは、主人の佐久間勘解由ですが、玄沢は三代将軍家光と四つに組んでもビクともすることではありません。
「驚くな御主人、お竹如来からは、確かに五光も射す、お勝手で使った水盥からは、確かに光明を発する」
玄沢は自分の胸をドンと叩くのです。
主人の迷いはまだ手軽でしたが、お竹の生身成仏に、一番困じ果てたのは倅の伊太郎と手代の与三郎でした。
江戸中の人が大騒ぎをする生仏様であったにしても、飯も食い、水も呑み、夜になれば眠りもするお竹に対して、燃え上る恋心をどう鎮めたものでしょう。時には冒涜的な心持で、そっとお竹如来の体温を持った生身に触れて、玄沢坊の一喝を食う伊太郎の如きは「糞でも喰え、このままお竹と一緒に八寒地獄の底にも飛込もう」といった、この上もない邪教的な心持にさえなるのでした。
それよりも更に困ったのは、生身の大日如来なる、お竹自身でした。御供物は毎日山の如く集まるので、食慾を満たすには何んの不自由もありませんが、床の間に日がな一日、お人形のように黙って坐っている辛気臭さは、お勝手で息をつく隙もなくコキ使われているより、どんなに骨が折れるかわからなかったのです。