Classici giapponesi con furigana
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ぶぎょうとにんそうがく
奉行と人相学
菊池 寛
Leggi 奉行と人相学 (ぶぎょうとにんそうがく) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8053 caratteri · 17 schermate
左膳は、三日にあげずやって来た。越前が、拙者の方からお邸へお伺いすると云ってもきかなかった。
「いや、貴殿が日々のおさばきに、人相を利用して下さると云うことは、われわれ人相学者にとっては、大慶至極な事じゃ。これで、人相学も世に行われ、貴殿の名奉行ぶりも一段と冴えて来る。拙者としても、こんな教え甲斐のある相手はない」
と、左膳は、同じことをいく度もくり返して云った。
左膳も、相手の熱心さにつられて、ついつい深入りをした。翌月は、南の月番であったが、左膳は、
「夜中でもお伺いしてもよろしい」
と、云い出したので、越前の方から、
「三と七の日は休みでござればその日……」
と云わずに居られなかった。
こうして、二月半ばかり、左膳の教授を受けたが、もう左膳の方には教えることがなくなった。
「御存じだと思うが、仏教の方で瀉瓶と云う言葉がある。瓶の水を瀉し更えるように、すっかり伝えてしまうことである。貴殿に対する拙者の人相教授も瀉瓶だった。普通の人相見は、人相を見ても、実際その人間の性根や行状を調べることが出来ないから、自分の鑑定の当否を知ることが出来ない。ところが、貴殿はそれが出来る。