Classici giapponesi con furigana
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ちぎりきぬ
契りきぬ
山本 周五郎
Leggi 契りきぬ (ちぎりきぬ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.757 caratteri · 66 schermate
とうてい実現できそうもないことを、しかつめらしく幾たびか約束したりした。だんだんに疎くはなったけれども、お互いが十か十一くらいになるまでは、こうして話したり遊んだりしたものである。――それ以後はしぜんと遠ざかり、ごくたまに道で会うようなことがあっても、こちらで恥かしくなり、顔をそむけて通るようにした。そして、おなつの父と兄をいちどに奪ったあの洪水の日、彼もまた馬で水見廻りに出ていて、五町畷という堤が切れたとき、その濁流に呑まれて死んだということである。
夢のことなどをそんなふうに思うのはばかげているかもしれない。そして母の医薬や食う物にも困っていたときの意識、つまりおなつ自身に隠れていた意識が、そんな夢となってあらわれたものであろう。だがそれでもいい、彼女にはその夢が哀しいほど嬉しかった、あんなにたくさんお金のある場所をみつけてくれたことが、死んでからも自分のことを心配し、護っていて呉れるようで、一種の心の支えになるように思えた。
北原精之助がそのひとに似ている。十一か十二のときの顔だちが、おとなになったらこうなるだろうと思われるほど、よく似ていた。