Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

おくのうみ

奥の海

久生 十蘭

Leggi 奥の海 (おくのうみ) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.005 caratteri · 26 schermate

Aozora Bunko

街道筋で、引戸の間から足の出ている駕籠があったら、烏丸中納言が乗っていると思え、というくらいのものである。

豆腐が好きで、何年となく御菜(出入り御用商人)から借りては食い、借りては食いしているうちに、塵積もって山となり、償う方便がたたず、嘉代という三ノ姫を、時を切って豆腐屋へ質においたという話は、金十郎も聞いていた。

「恐れることはない。一条の姫も九条の姫も凡下に身をおとして、飛騨の山奥まで輿入れする時世だ。いずれは尼になるべきところを、引きだしてやるのは徳行のうちだと思え。

それはそれとして、烏丸は糧の代に姫を売り沽かし、そうばかりして、食いつないできたといううわさがある。姫たちも、みな、よく働く鵜で、気のいい男にもたれこみ、自在に、嚥みこんだり吐きだしたりするそうな。心得までに言って聞かせるのだが」

館や家具調度だけが荘重で、食餌がお粗末なのは王朝以来のならわしで、貧乏公卿の家族は、むかしから、人間の食うようなものは食っていない。

親王家と五摂家には、御入用調役というものがついていて、体面を維持する程度のことをしてくれるが、大臣家、羽林家と下ると、そういう保証もないので、朝は薄い茶粥に胡麻塩、昼は一汁一菜に盛りっきりの麦飯、あとは翌朝まで、咽喉を通るのは水ばかりという、詰りきった暮しをしているところへ