Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おんなとぼうし
女と帽子
豊島 与志雄
Leggi 女と帽子 (おんなとぼうし) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.614 caratteri · 33 schermate
一
今村はまた時計を眺めて、七時に三十分ばかり間があることを見ると、珈琲をも一杯あつらえておいて、煙草をふかし始めた。卓子に片肱をついて、掌で※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)を支えながら、時々瞼をとじては、何かぴくりとしたように見開いている。もうこうなったら、俺のものだ。然し、最後になおちょっと元気をつけておいてやる必要もあるし、心窩のあたりを擽ってやりたくもなったので――眠いんですか、それとも、瞼が重たいんですか。どっちにしても同じことだが、しっかりなさいよ。あなたのその、薄茶色の帽子がま新らしく、へんにしゃちこばってるのに対して、大島の着物も羽織も、折目がくずれてだらりとしてる、それだからといって、あなた自身、ちぐはぐじゃいけませんよ。何をびくりびくりしているんです?
じっと、そこに腰掛けておればいいんです。死人のように、ぐったりと、身体をもたせかけておけばいいんです。一昨日からのこと、私も少々呆れたくらいだ、あなたも相当なもんでしたよ。いくらか疲れたでしょうね。瞼がはれ上り、顔がむくんでいて、血の気がなくて総毛だっています。