Classici giapponesi con furigana
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おんなのいっしょう
女の一生
森本 薫
Leggi 女の一生 (おんなのいっしょう) di 森本 薫 (もりもとかおる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.068 caratteri · 25 schermate
(けい、しくしく泣き出す)あなた、なにも泣かなくってもいいんですよ。泣かないでおばさんにわけを話してごらんなさい。え。一体どうしたの。何だってそのおばさんの家を黙って出たりしたんですか。
けい 今日、お昼御飯をたべていてふっと思い出したんです。今日は私の誕生日なんです。お父さんが居たころ、お父さんはいつでもお誕生日には何処かのお料理屋へつれて行ってくれて私を床の間の前へ坐らせました。尾頭付の焼物を注文してお祝いしてくれるんです。お母さんがいないから、お家でご馳走することが出来ない。これで我慢するんだよって……。私、ご馳走なんかちっとも欲しくないんです。ただ、何時迄もひとの家の厄介者で、邪魔っけにされているの、急に我慢が出来なくなってしまったんです。
章介 お前、お父さんの戦死した場所を知ってるかい。
けい よくは知らないけど、大東溝っていうところですって。
章介 大東溝、それじゃ俺達の通って来た所だ。お父さんの名前は何ていうの。
けい 布引勝一。
章介 布引勝一? 知らんな。何ていう隊にいたか。そんなこと知らないかね。
けい 知らないわ。私、まだ小さかったんですもの。