Classici giapponesi con furigana
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にょうにんきんせい
女人禁制
豊島 与志雄
Leggi 女人禁制 (にょうにんきんせい) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2705 caratteri · 6 schermate
ぱっと飛び立つところを打つのだが、たといそれても、朝の海上にターンと響く銃声だけでも爽快だ。
夏は投網。御台場の近くから、更に先方、或は江戸川口の方へと、それは潮加減による。ぱっと網が空を切って、円く拡がって水面におちると、速力をゆるめながら舟をくるりとまわすのだ。鱸、鯖、太刀魚、鯔、其他雑魚まで、数時間でバケツ四五杯はとれる。時には、魚群の上に全速力で舟をやると、魚の方から舟の中にとびこんでくる。
凡ては船頭任せだ。私たちはただ寝ころんで、空を眺め、海を眺め、煙草をふかし、雑談にふけり、鳥か魚かを珍らしがり、手で弄び、或は即席に料理して酒の肴にするのもよい。
然るに、元気だった彼女が、いつしか黙りこんで神妙にひかえている。獲物は固より、空の雲にも遠い帆影にも、もう興味をもたなくなったらしい。気分でも悪いのかといえば、そうでもない。腹でも痛いのかといえば、そうでもない。茶もサイダーも口にせず、いやにつんと澄しかえっている。何か彼女の機嫌でも害したことがあるのだろうか。だが、そんなことにかまってはいられない。広々とした空と海とのなかだ。些細な事柄は微風が吹き払ってくれる。