Classici giapponesi con furigana
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おんなけんし
女剣士
Leggi 女剣士 (おんなけんし) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.694 caratteri · 74 schermate
夜になると、昔は焚火のそばに二人が寄り添って、抱きあって身体をあたためたものだ。それは自然で、何のこだわりもなかったものだ。しかし今では、朝之助はそれができない。しかし、歌子はすり寄ってきた。父の背に手をまわして胸をよせ、
「ねえ。寒いわ」
「ウム」
「ねえ。もっと抱いて。寒いわ」
「なア、歌子」
「ええ」
「これは決して男としてではなく、父として、父が娘に云う言葉だが」
「ええ」
「父はな。父の子を、お前のオナカに宿らせたいのだ。すこし、お前、父から身を離して、父の言葉をきくがよい」
「こうして聞いちゃ、いけないの?」
「いけない」
「そう」
「父は存八か寺田のいずれかにお前を与える約束をしたが、それはお前もきいていたはずだ」
「ええ」
「しかし、約束はしたが、彼らのタネでは父は不満だ。お前の子供は、この父が生ませたい。法神流六世の血脈をつたえ、口はばったい言葉のようだが当流極意の玄妙はことごとく身につけている小山内朝之助のタネをその方に宿らせたいのだ。父ではあるが、父ではない。法神流第六世小山内朝之助だぞ。その方は娘であるが、娘ではない。小山内朝之助の門下筆頭、小山内歌子だぞ。