Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おんなけんし

女剣士

坂口 安吾

Leggi 女剣士 (おんなけんし) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.694 caratteri · 74 schermate

Aozora Bunko

「アイテテテ……」

と身体の立つところをエイッと当身。倒れてもがく存八をハッタと睨んだ歌子、木刀をとりあげて散々に打ちすえた。皮がやぶれて諸々に血がにじみ、存八息も絶え絶えである。歌子は荷物を拾って部屋へ帰り、寝床をしいてねてしまった。

呆れて見ていた寺田が存八の上に身をかがめて、

「オイ。どうした、師範代。お前さん、惚れているから、ダメだなア。敵の急所へ先にドスンとやりゃアいいのに」

「ナーニ。これぐらいは、馴れてるんだよ。ウーム。ドッコイショ」

寺田はおどろいた。郵便局の豪傑とちがって、存八の奴、もう起き上って、それ程でもない顔だ。いよいよバカには勝てないと寺田は眉をしかめた。

★

この山中には巨石が多い。その中に一ツ赤味をおびた巨石があって、これが大そう堅い石だ。原始林の中にあって人目のとどかぬところであるから、この石上の窪みが朝之助のネグラの一つであった。この石上で火もたくし料理もする。実にどうもガンコな石で、斧で叩きつけても刃の跡もつかない。

朝之助は朝の沐浴、朝の鍛錬を終ると、林中深くわけ入って木材をさがしもとめ、巨石の上でこれをけずりはじめる。