Classici giapponesi con furigana
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じょよう
女妖
江戸川 乱歩
Leggi 女妖 (じょよう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9691 caratteri · 20 schermate
起きていても見ることがあります。今日も見ました。浜離宮で海を眺めていたんです。すると、空いっぱいに、あなたの、はだかのからだが現われたのです。オーロラのように美しかった。それがぼくの神様です。子供のときからの神様です。ねえ、ヒトミさん――そう云ってもいい?――ぼく、あなたのからだの中へはいりたい」
「まあ、どうしてはいるの?」
「ぼくが小さくなればいい。そして、あなたが、いつもの幻のように大きくなればいい。そうすれば、あなたの美しい口から、おなかの中へはいって行く」
「可愛いのね。ほんとうに、可愛いのね」
グーッと、彼女の両腕が、胸のまわりをしめつけてくるのがわかった。浩一は頸をねじむけて、女の顔を見た。あまり近くて全体は見えなかったが、花のような、濡れた唇がそこにあった。
その時、二人は、ハッとしたように、顔を遠ざけて、互の目を見合った。けたたましくベルが鳴っている。さっきから鳴りつづけていたのを、やっと気づいたのだ。
「電話よ。ちょっと待っててね」
肌ざわりのよいビロードのガウンが、フワッとして、婦人は寝室の中へ消えて行った。
おし殺したような声で、二こと、三こと。