Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おんなごころのつよければ

女心の強ければ

豊島 与志雄

Leggi 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.011 caratteri · 94 schermate

Aozora Bunko

その時、彼はなにか眼覚める思いがした。酔ってもいたが、そればかりでなく、柿沼に魅せられていたような気持ちだ。こちらに弱みがありはしたが、それにしても、彼は自分から何一つ意志表示もせず、柿沼の話だけを聞いて、鼻づらを取って引き廻されたではないか。しかも、柿沼の言葉にしても、どこまでが真実でどこまでが嘘かけじめがつかず、今になってみれば、彼はただ仮面と相対していたようなものだ。しかもその仮面の奥には、人の心情を突き刺すような、傲慢な蔑視の眼がひそんでいた。

長谷川は激しい憎悪の念を覚えた。と同時に、千代乃の面影を胸に抱きしめた。

八

千代乃からはその後、何の便りもなかった。長谷川は仕事をなまけ、酒に親しむようになった。仕事の方は、或る文化団体の事務、詳しく言えば社団法人の研究所の事務整理なので、少々なまけたとて支障はなかったが、酒の方は、時間的に彼の生活を乱脈にした。

彼は兄の家に寄食しており、兄は政党関係の仕事が多忙で、弟のことなど見向きもしなかったが、嫂はしばしば、眉をひそめたり揶揄したりした。

「梧郎さん、どうなすったの。この頃、なんだか荒れてますね。