Classici giapponesi con furigana
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めがみ
女神
Leggi 女神 (めがみ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7046 caratteri · 14 schermate
あのおしゃれな人が、軍服のようなカーキ色の詰襟の服を着て、頭は丸坊主で、眼鏡も野暮な形のロイド眼鏡で、そうして顔色は悪く、不精鬚を生やし、ほとんど別人の感じであった。
部屋へあがって、座ぶとんに膝を折って正坐し、
「私は、正気ですよ。正気ですよ。いいですか? 信じますか?」
とにこりともせず、そう言った。
はてな? とも思ったが、私は笑って、
「なんですか? どうしたのです。あぐらになさいませんか、あぐらに。」
と言ったら、彼は立ち上り、
「ちょっと、手を洗わせて下さい。それから、あなたも、手を洗って下さい。」
と言う。
こりゃもうてっきり、と私は即断を下した。
「井戸は、玄関のわきでしたね。一緒に洗いましょう。」
と私を誘う。
私はいまいましい気持で、彼のうしろについて外へ出て井戸端に行き、かわるがわる無言でポンプを押して手を洗い合った。
「うがいして下さい。」
彼にならって、私も意味のわからぬうがいをする。
「握手!」
私はその命令にも従った。
「接吻!」
「かんべんしてくれ。」
私はその命令にだけは従わなかった。
彼は薄く笑って、
「いまに事情がわかれば、あなたのほうから私に接吻を求めるようになるでしょう。