Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうじんぶつ

好人物

佐々木 邦

Leggi 好人物 (こうじんぶつ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.609 caratteri · 107 schermate

Aozora Bunko

「安子や、今日着いたお米はね、あれは庄内米といって、日本一の米だよ。白くて焚き殖えがして甘くて廉くて、何でも一挙五徳につくという話だった」

と問題の米俵を紹介に及んだ。

「あなた、台所のことは一応私に御相談下さらないと困りますよ。これでも種々考えてしているんですから」

と実は日が暮れる主人が帰るで、忙し紛れに控えていた安子夫人は渡りに舟と直ぐに苦情を申入れた。

「お前に言おう/\と思いながらつい忘れていたのさ。しかし好い米を格安に買えれば申分あるまい。実は橋口君の奥さんのお里は鶴岡で米屋さんだ。手広くやっているそうだよ。そこで橋口君に頼んで送って貰ったのさ」

「何れそんなことでしょうと存じましたが、これからはもう舎して下さいよ。私の方の予算が悉皆狂ってしまいますから」

「お前は未だ喰べて見ないから、そんなことを言うんだよ。東京の白米には何といっても外国米が交ぜてある。しかし庄内辺は人間が純朴だから然ういう誤魔化しをしない。日本一の米がそのまゝ口に入る。それから値が安いんだよ。運賃や持込料を払っても一升で二銭安いことになる。即ち一俵で八十銭安いことになる。