Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうい

好意

豊島 与志雄

Leggi 好意 (こうい) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.059 caratteri · 40 schermate

Aozora Bunko

敏子さんがひどく心配してることや、敏子さんから頼まれたことなどを打明けておいて、それから、河野が金を返しに来たのはただ当り前のことで、それを気にするのが可笑しいというようなことを、静に説き初めた。然し吉岡は私の言葉が終るのを待たなかった。病的な鋭利な調子で私に突きかかってきた。

「河野君があの八百円の金を返しに来たのは、表面から見れば何でもない当り前のことさ。然しその気持を僕は不快に思うのだ。今のうちに返しておかなければ、もし僕が死にでもしたら……とそう思って、急いで金を拵えて持って来たのだ。河野君にとっては、金を返す返さないが問題じゃない。もしそれだけのことだったら、僕が生きてるうちに返そうと、僕の死後敏子へ返そうと、同じじゃないか。僕にとっては、八百円の金くらい何でもないことを、河野君はよく知ってる筈だ。僕はあの時から、……もう四五年になると思うが、一度だって金のことなんかを河野君に云った覚えはない。僕の一寸したあれだけの好意でも、河野君の生活に何かの役に立って、それで河野君が立派な作品を拵えてくれたら、それだけで僕は満足なんだ。金のことなんかどうだっていい。