Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうい

好意

豊島 与志雄

Leggi 好意 (こうい) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.059 caratteri · 40 schermate

Aozora Bunko

」

そんな風に――これは私が後で河野から聞いたことだから多少の差違はあるかも知れないが、兎に角、そんな風に云われると、河野はもう金銭のことを持出す気がせず、それかって坐を立つことも出来ずに、一時間近く吉岡の話相手になってしまった。吉岡の頬にはほんのりと赤味がさして、その興奮が落凹んだ眼と粗らな※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)髯とに病的な対照をなして、河野の心を囚えたのである。そして、看護婦が薬を与える拍子にそっと相図をしたので、河野は初めて我に返った心地で、慌てて病室を辞し去った。

さて帰る段になって、初めの用件が河野の眼の前にぶら下ってきた。彼は一寸途方にくれたが、これはじかに吉岡に話すよりは、敏子さんに話した方がよいと思いついて、そしてそれが最善の方法であると感じて、玄関へ片足下しかけたのを引返して、玄関側の室へ敏子さんを呼んだ。

「実は、一寸吉岡君に逢って、用事だけを果すつもりだったのですが、つい話し込んでしまって、その上用事も持ち出さないでしまったものですから、あなたへ……。」

といった風の調子で、彼は懐から洋封筒を敏子さんの前に差出した。