Classici giapponesi con furigana
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こうい
好意
豊島 与志雄
Leggi 好意 (こうい) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.059 caratteri · 40 schermate
云い張ってるうちに一層決心を固めた。ただそれだけのことだったが、それが変に二人の間に一種の親しみと気兼ねとを拵えていた。それで河野は、吉岡に頼るのが心苦しかったけれど、切迫つまった余り思い切って出かけてみた。吉岡は彼の窮状を黙って聞いていたが、結局、別居こそしているが自分には父もあるし、金銭の自由は全くつかないのだけれど、四五日待ってみてくれ、考えてみるから……という返辞をした。河野はとても駄目だと思って帰った。それでも心待ちにしていたが、四五日たっても便りがなかった。すると一週間ばかりして、河野夫妻が絶望の腹を据えてる所へ、吉岡はふとやって来て、高利貸からの証文まで持って来てくれた。無理に金を融通した上、自分で高利貸の所へ出かけていって、八百円に負けさしてきたのだそうだ。河野夫妻は感謝の涙にくれた。
河野はその時のことを――勿論細君との恋愛について吉岡が反対したという昔の話はぬきにして――敏子さんへ話しながら、眼の中が熱くなるのを覚えた。
敏子さんは彼の話を、それから、それから、というように急いで簡単に切上げさして、その上、その折の書付なども見たことはないのでと云って、やはり金を取ろうとしなかった。