Classici giapponesi con furigana
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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
Leggi 如何なる星の下に (いかなるほしのもとに) di 高見 順 (たかみじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.508 caratteri · 236 schermate
「鰯を食おうとしている男」と言った朝野を私は憎んだが、雅子に会わせてもらうためには、やはり朝野に頼らねばならなかった。楽屋へ私は、ひとりで行けたりはしない。
朝野は、千束町の小さな雑貨屋の二階に間借りしていた。
「朝野君、いますか」
すがめのおかみさんに言うと、
「いますよ」お客さんでなかった腹立ちからか、突慳貪な声だ。それなり知らん顔をしているのに、
「――いますか」
呼んでくれと言うかわりにとんまな声で言うと「――裏へ回って、上ったらいいでしょう」
何かいやな臭いのする路地を通って、台所口へ回り、外さなければ開かないような建付の悪いガラス戸を開けると、朝野のらしい摩り切れた下駄がそこにあった。その真黒な下駄の上に、表のおかみさんのらしい、ぐるぐると巻いた赤っちゃけた抜け毛が乗っかっていた。
「――朝野君」
暗い階段の下から声をかけると、
「――おお」
何かあわててひっくりかえすような音がして、朝野がヌッと顔を出した。暗いせいか、眼が猫のように気味悪く光っていた。
「やあ、朝野君」階段を上ろうとすると、
「出ましょう。――ちょっと待って」
私の上るのを防ぐような、ひどく狼狽した手付だった。