Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ようだこ
妖蛸
田中 貢太郎
Leggi 妖蛸 (ようだこ) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1346 caratteri · 3 schermate
やがて積みかさねた薪の上へ米の死骸が置かれた。それと見て人びとは念仏を唱えた。同時に隠坊が薪に火を点けた。
火は薪から薪に移って往った。気の弱い女たちは遠くの方へ往って、そこには男ばかりいた。隠坊は後から後からと薪を加えたが、米の死体はなかなか焼けなかった。そして、火力が強くなればなるだけ死体から水を吹出して、手足の方は焼けても胴体は依然としてそのままであった。
普通五六十本の薪があれば、完全に焼けることになっているが、もう予定の薪は焚いてしまっても焼けないので、隠坊はがまんしきれなくなって、傍にあった漁師用の手鍵を執って死体の腹へ打ちこんだ。と、大きな音がして腹が裂けるとともに、その中から大きな蛸が出て来たが、それが猛烈な勢いで達磨の新公に飛びかかるなり、真黒い毒どくしい墨をぱっと吐いた。墨は新公の顔から胸のあたりを真黒にした。
新公は悶絶した。それと見て人びとは隠坊に加勢して、蛸を撲殺し、更めて薪を加えて蛸もいっしょに焼いたが、今度はすぐ焼けてしまった。
数日してのことであった。網元の主人が火鉢の傍でうつらうつらしていると、米の姿が見えて来て何か云ってしきりに謝った。